「アナトミートレイン」について K
2022.10.27更新
「アナトミートレイン」とは、筋肉の筋膜連結のことです。
これは、英国のセラピスト、トーマス・マイヤーズ氏が2009年に著した解剖学の理論です。
アナトミーとは「身体の仕組み」、トレインは「路線」を意味しています。
人の身体には600ほどの筋肉がありますが、それを包んでいる筋膜はそれぞれの筋肉をいくつかのラインで繋がっていることが分かっています。
日常生活や運動する時に、筋肉は単独で働いているわけでは無く、筋膜の繋がりにより連動して身体を動かしていると言うことです。
そして、この「アナトミートレイン」の考え方を利用して治療を行っている治療家も多くいます。
例えば、腰部の痛みがある場合に、遠位の足底筋や腓腹筋にアプローチすることで、腰部の筋肉の硬さが取れ痛みが軽減することをねらっています。
これは、身体の後面にあるバックラインを用いた治療です。
このような「アナトミートレイン」は身体に12本の筋膜ラインがあると言われています。
一方、東洋医学の「経絡」は気血の流れの道で、特に筋肉に関係が深いものを「経筋」と呼んでいます。
そしてこの「経筋」と「アナトミートレイン」の流れが非常に多くの部分で共通しています。
生理学も解剖学もない二千年以上前の古代中国で、「アナトミートレイン」の様な筋膜連結システムを発見していたことに、今更ながら驚きと東洋医学の奥深さを感じます。
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